自宅でメインに使っているコンピューターが Apple Mac mini (2018) [3.2GHz 6-Core Intel Core i7, 32GB Memory, 512GB SSD Storage] だったので、Apple M1 Pro / Max を搭載した Mac mini が発表されることを2021年Q4から期待していたら、2022年3月に Apple M1 Max / Ultra を搭載した Apple Mac Studio (2022) が発表されました。Mac mini と比べると厚みは違いますが、欲しいのはモニターなしのデスクトップ機なので、もちろん購入です。

Apple MacBook Pro (14-inch, 2021) は Apple M1 Pro または Apple M1 Max から選べ、CPU数やGPU数の細かな違いも含めるとCPUのラインナップが5種類もあり、Mac mini で同様にリリースされたらどれにするか事前に悩んでいましたが、Apple Mac Studio (2022) は Apple M1 Max または Apple M1 Ultra になり、M1 Ultra は高すぎるので、選択肢が 10-Core CPU, 24-Core GPU, 16-Core Neural Engine または 10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine の2択に絞りやすかったので、それほど悩まずに 10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine を選びました。GPUは Adobe Photoshop Lightroom での色補正と DaVinci Resolve のエンコーディングに影響するため、Apple Mac mini (2018) のときも Intel UHD Graphics 630 を補うために、eGPUとして SAPPHIRE PULSE RX 5700 8G GDDR6 をつないでいました。そのため、今回もGPUは重視しました。

M1 Max なので64GBメモリーを選ぶこともできましたが、現行の32GBのApple Mac mini (2018) でスワップしたことがほとんどないのと、Apple MacBook Pro (14-inch, 2021) のレビューをいくつか見てみると、8K映像の編集でもしない限り64GBは必要なさそうなので、32GBにしました。ただ、Apple Mac mini (2018) ではCPUだけに32GBで、GPUは別途8GB持っていたので、Unified Memory の Apple Mac Studio (2022) では Apple Mac mini (2018) より少なくなります。また、ファイルキャッシュとして使えるので、大きなメモリーが無駄になることはないとも思います。

ストレージは Apple Mac mini (2018) で256GB程度しか使っていなかったので、変わらず512GBにしました。最近はデータの保存先がクラウドに移行しつつあるため、ローカルにはそれほど大きなストレージが必要なくなっています。

以上を踏まえて、10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine, 32GB Memory, 512GB SSD Storage の構成で、発表された2022年3月9日に注文し、4月1日に到着しました。

ベンチマーク

Apple M1 Max のベンチマーク結果は Apple MacBook Pro (14-inch, 2021) も含めるとすでにたくさん公開されてはいますが、長年パフォーマンスチューニングの仕事をしてきた身としては、ベンチマークを取らないわけにはいきません。

GeekbenchはMacの定番ベンチマークアプリです。バージョン5.4.4での Apple Mas Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) のCPU計測結果は Single-Core Score が1,774、Multi-Core Score が12,553になりました。Apple Mac mini (2018) の計測結果は Single-Core Score が1,131、Multi-Core Score が5,862だったので、シングルコアで1.57倍、マルチコアで2.15倍になっています。3年で2倍というのは、かなり進化スピードが速く、買い替える価値がありました。Geekbench: Mac Benchmarks によると、シングルコアではIntel最速の Intel Core i7-10700K (8-Core, 3.8GHz) が1,250なので、それよりも1.4倍速いです。最近の Intel CPU のシングルコアの進化が遅かったことを考慮すると、1.4倍はかなり大きいです。マルチコアでは Intel Xeon W-2191B (18-Core, 2.3GHz) が13,432なので、ワークステーション級の性能と言えるでしょう。しかし、少し前までハイエンドと自慢できた Apple M1 Max のさらに2倍の Apple M1 Ultra がリリースされた今となっては、M1 Max はこれでもミッドレンジです。

Geekbench 5 での Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) のCPU計測結果
Geekbench 5 での Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) のCPU計測結果

Compute (GPU) のMetalでの計測結果は70,034、OpenCLでの計測結果は58,818でした。Intel UHD Graphics 630 の Apple Mac mini (2018) のMetalでの計測結果は2,372、AMD Radeon RX 5700 をeGPUで接続した場合のMetalでの計測結果は32,081なので、Metalで比較した場合、iGPUとしては30倍、eGPUを接続した現行環境よりも2.2倍と、こちらも買い替える価値がありました。Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) は、Metalで比較すると AMD Radeon RX 5700 XT 相当、OpenCLで比較すると NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti 相当です。5万円弱のGPUと同等というところでしょうか。なお、Geekbenchの計測結果は3D描画に特化していないので、ゲーム用途とは評価が異なります。

Geekbench 5 での Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) の Compute (GPU) 計測結果
Geekbench 5 での Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) の Compute (GPU) 計測結果
Apple Mac Studio (2022)Apple Mac mini (2018)性能比
CPU: Single-Core1,7741,1311.57X
CPU: Multi-Core12,5535,8622.15X
Compute (GPU): Metal70,0342,37229.53X

Maxon Cinebench はCPUベンチマークアプリです。R23.200での計測結果は、Single Core が1,534で、Intel Core i7-1165G7 (4-Core, 2.8GHz) と同等、Multi Core が12,251で、Intel Core i9-9880H (8-Core, 2.3GHz) の1.34倍でした。

Cinebench R23 での Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) の Single Core CPU 計測結果
Cinebench R23 での Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) の Multi Core CPU 計測結果

GFX Bench Metal はMetalを使用した3Dゲームベンチマークアプリです。バージョン5.0.3での計測結果は、1440p Aztec Ruins High Tier Offscreen が19,776.4 Frames でした。GFX Bench 5.0 Results によると、NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti 程度です。Onscreenはモニターの解像度の影響を受けますが、物理解像度3840 x 2160 / 論理解像度6720 x 3780で検証しているため、値が低めに出ています。

GFX Bench Metal: Aztec Ruins での Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) の計測結果

ValleyはOpenGLを使用した3Dゲームベンチマークアプリです。Extream HD Preset のままだと画面が真っ黒で何も表示されないため、Anti-aliasingをx4に変更しました。結果は 71.8 FPS でした。

Valleyでの Apple Mac Studio (2022) / Apple M1 Max (10-Core CPU, 32-Core GPU, 16-Core Neural Engine) の計測結果

AmorphousDiskMarkはストレージベンチマークアプリです。WindowsでおなじみのCrystalDiskMarkと同じ感覚で使えますが、結果を直接比較することはできません。4.0での計測結果は、Sequential Read で7,004.10MB/s、Sequential Write で5,285.43MB/sとなりました。

AmorphousDiskMarkでの Apple Mac Studio (2022) の計測結果

Blackmagic Disk Speed Test もストレージベンチマークアプリです。3.3での計測結果は、Readで4,471.6MB/s、Writeで5,453.9MB/sとなりました。

Blackmagic Disk Speed Test での Apple Mac Studio (2022) の計測結果

静音性について

特筆すべき点は、その静音性です。ベンチマークを実行しても、室温24度の環境でCPU温度が38度程度にしかならず、ファンは2個とも1,300rpmの最低速度でしか回りません。私は Apple Mac Studio (2022) を足下に置いていることもあって、完全に無音です。

まとめ

Apple M1 Max を搭載した Apple Mac Studio (2022) のCPU性能はワークステーション級で、Apple M1 Ultra が必要な状況は、現時点でもワークステーションを利用しているような場合に限られるでしょう。GPU性能は1080pをターゲットとしたゲーミングPC程度の性能はあり、個人的には十分です。

ブランドApple
製品名Mac Studio (2022)
仕様Apple M1 Max 10-Core CPU 32-Core GPU, 32GB Memory, 512GB SSD Storage
型番Z14J0007Y A2615
販売店Apple
支払金額271,800円。送料無料
購入日2022-03-09
納品日2022-04-01
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