自作サーバー構築 PCパーツ選択編

このブログをはじめ、全てのrewse.jpのサービスは自宅に置いてある HP ProLiant ML115 で2008年からは動いているのだが、前評判から分かっていたとはいえ、やはりファン・ノイズがうるさいし夏場には気になるくらい部屋の中が暑くなる。今夏はエアコンをぜいたくに使うことはできなそうなのでVPSも検討したが、オンライン・バックアップ方式に最適解がないのとデータセンターも今夏の電気使用量に大きな課題を抱えているようなので、より静音低発熱な自宅サーバーに置き換えることにした。ML115を使って3年経ったし、Red Hat Enterprise Linux 6 (RHEL6) がリリースされたというのも大きな理由の一つである。

CPU

この3年間で変わった省電力のトレンドと言えば Intel Atom は無視できない。今までの AMD Athlon X2 4850e (2-core 2.5GHz) も省電力シリーズであったためTDP45W程度だったが、Atomファミリーで最速の D525 (2-core 1.8GHz) ですら13Wで3分の1以下と圧倒的に省電力だし、CPUファンレス・マシンも組めるため静音にも貢献するだろう。競合に NVIDIA ION もあるが、これはグラフィック性能が売りでサーバー用途にはピンと来なかったので、今回のマシンはAtomで決定した。

Atomをサーバー用に使う時の注意点は、デスクトップ向けのDシリーズとネットブック向けのNシリーズは Intel VT に対応していないので、RHEL6でサポートされているKVMでの仮想化ができないことだ。ただ、まぁ、現行の CentOS 5 で使用している仮想化プラットフォームがXenなので、KVMからXenに移行する必要がなくなるし(せっかくの仮想化によるポータビリティが台無しにならない)、KVMよりXenのほうがパフォーマンス良いし、RHEL6にXenを導入しなくてもdom0だけはRHEL5ってのでも良いし……ということで気にしないことにした。

マザーボード

Intel Atom が内蔵されたメーカー製PCは Microsoft Windows Home Server に特化したものが多く、Linuxで使うとなるとデバイス・ドライバーで苦労しそうなどころか、ディスプレイ (VGA) ポートがない製品が多くてかなり厳しそうなので、自作することにした。

CPU以外にボクが必要とするマザーボードのスペックは次のとおり。HDDは3台をRAID5で組み、それのバックアップ先として1台必要なので、SATAは4ポート必須。光学ドライブはインストール時にしか使わないのでバックアップ先HDDと差し替えでもよいのだが、できれば光学ドライブ用にあと1ポートあると望ましい。メモリーはブログ・ツールをWordPressに移行してからWebサーバーに3GBあったほうがよいので8GB以上詰めるのが望ましい。Ethernetは2ポート必要だが、PCIに挿せられればオンボードが1ポートでも可。ファン回転数や温度はipmitoolコマンドで読めると良いのでIPMI対応が望ましい。外出先からマシンの起動制御などができるKVM-over-Ethernetは長期出張時の安心感が全然違うのであこがれ。

Mini-ITXのAtomマザーボードはいろいろあるけど、TVセットボックス向けみたいのが多く、本格的サーバー向けなのは限られている。結局、Supermicro X7SPA-HF-D525ASUS Hummingbird (ASMB4-iKVM) で比較することにした。

機種名 Supermicro X7SPA-HF-D525 ASUS Hummingbird (ASMB4-iKVM)
CPU Atom D525 (2-core 1.8GHz FSB800MHz) Atom D510 (2-core 1.66GHz FSB667MHz)
SATA 6 4
メモリー DDR3 SO-DIMM 4GB DDR2 SO-DIMM 4GB
Ethernet 2 2
IPMI
KVMoE
価格 3万円程度 3万円程度

Hummingbirdの分が悪いのは表からも分かるが、そもそもHummigbirdは Intel NM10 Express というAtom向けの安っぽそうなチップセットがベースだけど、X7SPA-HF-D525は Intel ICH9R を使用したSupermicro独自のチップセットだ。業務で某半導体ベンダーからマシンを借りると必ずSupermicroであった経験から、ボクの中でSupermicroへの信頼は厚いのでX7SPA-HF-D525に決定。メモリーは最大4GBとあるが、DDR3 SO-DIMM 8GB は一般的に流通しているのでなんとかなるだろう(DDR2 SO-DIMM 8GB は一般的とは言えない)。

メモリー

少し調べてみるとSupermicroは業務用ベンダーだけあってメモリーの相性問題が多い(下手なメモリーは認識しない)ようなので、テスト済みのメモリーを使用することにした。DDR3 SODIMM-1333 4GB には Micron MT16JSF51264HZ-1G4D1 しかないが、この型番そのものを国内で入手するのは難しそうなので、Micronチップを使用していることが保証されていて2バンク16チップの SanMax SMD-N8G68CP-10F-D(DDR3 SO-DIMM 8GB 1066MHz CL7 ×2)を選んだ。

ハードディスク

性能よりも静音 / 低発熱重視なので低速回転タイプから選ぶ。現行サーバーで Western Digital WD Caviar Green WD15EADS (1.5TB 5400rpm) を使って低速病に苦しめられた(保証適用交換修理してもらったが)一方、Seagate Barracuda LP ST31500541AS (1.5TB 5900rpm) が静かに低温で使用できているので、Seagate Barracuda Green ST2000DL003 (2TB 5900rpm) を選んだ。ただし、ST2000DL003はSmartAlignという機能があるものの、1セクタ当たり4KBのアドバンスト・フォーマットなのでLinuxで使うときにはちょっと怖い。RAID5が同時に壊れることを避けるためには3本とも別メーカーにするのが理想的だが、そこまでは気にしないことにした。

光学ドライブ

DVDが読めれば何でもよかったのだけど、最安であろう Lite-On iHAS324-27 はメーカー・ロゴや各種ロゴがデカく目立ってダサすぎるので、400円高い Sony Optiarc AD-7260S にした。

電源ユニット

ここまでの構成を電源容量皮算用計算機で計算してみると、ピーク電力が200W、12Vが15A、5Vが6Aってところ。安全係数2倍として400Wあれば十分としたが、ドライブ類が多いので+12V1(CPU以外)が30A必要な点も注意した。定番のSeasonicの中で容量が一番小さなものは GBronze S12II SS-520GB (520W +12V1:20A) だが、容量が若干ありすぎる一方、12V1がちょっと足りない。なので、もう一つの定番Enermaxで検討すると MODU82+II EMD425AWT-II (425W +12V1:33A) が良い感じ。必要電力に比べて容量が大きすぎると効率が悪くなってしまうので、容量は大きければ良いってものでもない。

PCケース

Mini-ITXで3.5インチ内蔵ベイが4つあって静音に定評のあるメーカーとなると Lian Li PC-Q08 ぐらいしかなかったのでこれで。色は机の下で目立たないブラックにした。

メーカー Super Micro Computer
製品 X7SPA-HF-D525
購入場所 アーク
購入日 2011-05-07
価格 30,970円
メーカー サンマックス・テクノロジーズ
製品 SMD-N8G68CP-10F-D
購入場所 アーク
購入日 2011-05-07
価格 8,980円
メーカー Seagate Technology
製品 Barracuda Green ST2000DL003
購入場所 TSUKUMO
購入日 2011-05-07
価格 6,380円
メーカー ソニーオプティアーク
製品 AD-7260S
購入場所 TSUKUMO
購入日 2011-05-07
価格 2,680円
メーカー Enermax Technology(保銳科技)
製品 MODU82+II EMD425AWT-II
購入場所 TSUKUMO
購入日 2011-05-07
価格 8,970円
メーカー Lian Li Industrial(聯力工業)
製品 PC-Q08
購入場所 TSUKUMO
購入日 2011-05-07
価格 14,280円

自作サーバー構築 PCパーツ選択編 への1件のコメント

  1. [...] 新しい自宅サーバーを自作するために購入したPCパーツの組み立て方についてまとめておこう。今回購入した Supermicro X7SPA-HF-D525 はCPU直付けなので、「欠けやすいCPUに放熱グリスを適量塗 [...]

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